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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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『青春の門』の作者・五木寛之は、金沢にゆかりが深く、

金沢を愛していることでも有名です。

 

その金沢に、昨夏、旅をしてきました。

別に五木寛之を追っていたわけではなく、

それなりに近場で、安価で、かつ濃密な旅行場所を探していたところ、

金沢がヒットしたのです。

JRの《ぐるりんパス》を使いました。

このパスには感動しました。

JRの往復特急料金に加え、兼六園や金沢城など、多くの施設の入場券と、

市内周遊バスの料金がセットになっているのです。

金沢にJRで行く人には、絶対オススメです。

このパスにより、宿代と食事代とお土産代以外は、

いっさいお金を使いませんでした。

(↑それもどうかと・・・)

 

とくに計画を立てていなかったので、

無料で入場できる施設を手当たり次第にまわっていくという、

いきあたりばったり旅行でした。

 

兼六園は、真夏のカンカン照りということもあってひたすら暑く、

花もなければ雪もない、殺風景な庭でしかありませんでした。

季節を間違えたかもしれません。

いちばん気に入ったのは、

旧四高(現金沢大学)の赤レンガをそのまま使用した石川近代文学館。

利用者もほとんどおらず、静まり返った廊下に、蝉の声だけが響いていました。

どこからか、当時の学生たちの下駄履きの音が聞こえてくるような気がしました。

そして、金沢文芸館。

これもかつて銀行だった建物を改築した、レトロな外観です。

金沢にゆかりの深い文学者たちの作品を集め、

文学を語りあうサロンとしても使われているそうです。

オープンしてまだ半年あまりだったので、観光客はめったに来ないのでしょうか。

職員の人は、「どこでここを知ったのですか!?」と驚いておられました。

五木寛之についても話をしてくださいましたが、

『青春の門』しか読んでいない私には、作者自体にあまり知識がなく、

「はぁ、はぁ」と頷くだけでした。

観光中だったのであまり時間がなく、さっさと退館してしまいましたが、

モダンレトロな室内で、のんびり本を読むことが出来たなら、

素敵だったろうなあと思います。

 

歴史ある観光地は、見どころをある時代や場所に特化しがちですが、

金沢は、江戸・明治・大正・昭和、

それぞれの時代が持つ独特の香りを、ひとつひとつ残しているのを、

まち中のいたるところで感じました。

金沢は、思索をするのに適したまちだと聞いたことがあります。

確かに、ほかの観光地とは、どこか時間の流れが違うような気がしました。

現実のさまざまなしがらみも、悠久の歴史に思いを馳せれば、

矮小なものでしかなく、自己を見つめなおすきっかけと変わるもの。

文学者が多く輩出されたのも、わかる気がします。

 

金沢は素敵なまちでした。

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