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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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日本の歴史は大好きですが、お隣の大陸にはさほど興味ありません。

『三国志』は読んだことがないし、歴史も世界史の授業でかじっただけ。

だから「赤壁の戦い」と言われても、『赤壁の賦』(中能島欣一作曲)くらいしか浮かんでこないのです。

そんな私のツレは中学生の時『三国志』にハマったそうです。

誰かが持ってきた横山光輝の漫画が教室で大ブームに。不良も優等生も皆授業中だろうが休憩中だろうがところかまわず読みふけり、ツレも寝る時以外は本を離さず、一週間ほどで全60巻読破したそうな。

お気に入りの武将は人それぞれ、またおもしろいことに、肩入れする国はぱっきり三分割されるとか。

「ああ、あの感動はもう一生味わうことができひんのやなあ。『三国志』をイチから読めるおまえがうらやましいわ」と少年のような瞳で熱く語っておりました。

さて、まったく無の状態でこの映画にチャレンジした私。

冒頭でさらりと三国の状態を説明してくれていたので、助かりました。「簡単すぎるわ!」と横でボヤくツレ。

なるほど、劉備軍だけでも魅力的な武将が次々登場。ちょっとしたシーンでしっかり個性を説明してくれます。誰を好きになるかは、確かに好みで分かれそうですね。この映画では、断然周瑜がいちばんですが。

戦闘シーンもCGを駆使して大迫力。でもそれだけでは飽きてしまいますから、ちゃんと色気のある展開にもなります。周瑜の妻を曹操も想っていて、そのために敵対心を抱くというのはちょっと甘っちょろいような気もしないではないですが。妻役の女優さんは見惚れてしまうほどのアジアン・ビューティですね。また、孫権の妹であるじゃじゃ馬娘も、戦場に華を添えてくれます。

『三国志』フリークには賛否両論分かれそうなところですが、ビギナーには単純にワクワクドキドキ、休日を楽しくさせてくれるエンターテイメント映画でした。

でもやはり、PartⅡは映画館で観たいところ。

評価:★★★★☆

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