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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)

いやー、驚きました。まさかオリックスが3連勝とは。

しかも、岩隈・マー君・永井の三本柱を撃破ですから。

試合はすべて1点差。さすが、阪神時代から接戦に強いイメージのある岡田監督です。大ちゃんがいなくなってオリックスへの応援ベクトルが背きかけていたのですが、やっぱり今年もオリックスかも。

 

今日は西武戦しか中継がなく、しかも西武打線が20歳の若造(唐川)相手に中盤までパーフェクトに抑えられるという最悪の展開で、西武愛して30年のツレの機嫌も極限状態に陥っているさなか、PCでのオリックス-楽天の息詰まる一球速報だけが救いでした。見たかったなあ~、最後の岸田コール。

山本省吾が序盤に打ち込まれたのは少し残念ですが、リリーフに岸田を持ってくるとは、さすが奇才・岡田。「DH嫌い」と日本語でまくしたてて開幕戦のスタメンから外されたカブレラは、昨日DHでHR、今日は希望通りの一塁起用で好プレーの上にHRと、アメとムチのような人事できちんと仕事をさせているところも見事な采配です。まあ、カブレラの場合、この優等生ぶりがいつまで続くのか気になるところですが。

 

今日は西武戦しか観られませんでしたが、草野球チームのようだったロッテの面々の風体が、まるで社会人野球チームのような戦闘集団になっていたのには驚きました。ルーキー荻野貴の泥臭いプレーも見ものです。5~3番の打線には切れ目がありません。つまり4番の覚醒にかかっている、といったところですね。

とはいえ、シーズンは始まったばかり。パ・リーグは大混戦で有識者の優勝予想も意見が分かれているようです。今のところ大ハズレのブラウン采配ですが、今後はどうなっていくかわかりませんし(・・・と思いたい)。もちろん王者日ハムのつなぐ野球も、投打かみ合うソフトバンクの手堅さも捨てがたい。

暫定1位のオリックス、このまま秋まで首位を守っていってほしいものです(笑)

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クリント・イーストウッド監督がみずから「演じるのは最後」と主演をつとめた、まるで監督自身の人生観を凝縮されたような男気あふれる作品となっています。

物語は、絵に描いたような頑固じじいのウォルトの妻の葬儀から始まります。

その気性のせいで息子たちとは溝ができ、唯一の理解者であった妻の頼みで様子を見に来た神父も追い返し、相手をしてくれるのは飼い犬と愛車グラン・トリノと缶ビールだけ。住み慣れた街は様変わりし、アジア系の住民が増えて治安も悪くなっている。隣に越してきたのも彼が忌み嫌うアジア系の一家。しかしウォルトは他のアメリカ人のように街を離れることはしない。それもまた彼の頑迷さ故なのか。

隣家の息子・タオは不良グループの一員である従兄の言うがままに、ウォルトの愛車を盗みに入るが失敗。タオは怒った不良たちに庭先で暴行を受けるが、芝生を荒らされることを嫌ったウォルトが奇しくも助けたかっこうに。また、タオの姉スーがならず者に囲まれていた時も通りかかってトラックに乗せたのはウォルト。一家の豪華な料理と感謝の意を受け、とまどいながらもウォルトは、いつの間にか嫌っていたはずの隣家とかかわりを持っていくことに。

硬質で淡々と進んでいった『チェンジリング』とは一転、台詞や展開のところどころにユーモアを差し挟みながら、今回は監督の主張といったものが見え隠れします。

ズバリ、男の生きざま。

日本車を否定し、人種差別意識を捨てようとせず、今時の若者を嫌い、神も仏も信じない。しかし妻を愛する言葉は惜しまず、若い女の子の誘いと旨い料理には弱い。自身の教えを忠実に実行するタオには与うるかぎりの経験と知識を与える。決して弱みは見せない。最後まで。

監督の描くところは明快です。ウォルトという愛すべきひとりの人間の一生。悔いを多く残す過去とその償いのために与えられたような最後の日々。そして彼が大事にしていたグラン・トリノとその生きざまを譲り受けたタオの未来。衝撃のラストと謳いながらも、その予測は多くの観客がしていたところでしょう。しかし過大広告とは思わない。悲しくもあたたかい涙がじわり心を潤す。この非常に分かりやすくシンプルな物語が、大きな感動を呼び起こしたところは衝撃なのかもしれませんが。

シンプル以上の美はないと思う。

石と砂だけの枯山水に哲学を見るように。水墨画の景観が世界を表現するように。

一切の下心を捨てて、余分なものを削ぎ落としたクリント・イーストウッド監督の作品もまた、美を極めた芸術であると思います。

評価:★★★★(4.3)

 

~ヤスオーのシネマ坊主<第2部>~

 いつものイーストウッド映画ですね。ストーリーはいたって単純で、驚くような展開もないし、オチも驚くようなものではないですが、結末に向けた一つ一つのエピソードにまったく無駄がないです。キャラクター設定もベタベタですが、人間関係を丁寧に描いているので、一人一人の人間の感情が自然に理解でき、行動にも違和感を感じさせません。作品としての完成度は間違いなく高いです。この映画はアカデミー作品賞にはノミネートされていないようですが、完成度の高さは作品賞の「スラムドッグ・ミリオネア」と同レベルにはあるでしょう。クリント・イーストウッドが嫌いな僕が言うのだから間違いないです。

 また、「オレは自分の撮りたいものを撮っているんだ」という僕が映画を評価する上で最も重視する監督の信念も十分に伝わって来ます。民族という繊細なテーマを扱っているのにまったく説教臭くないところや、主人公がラストで死ぬのにお涙頂戴の空気にならないところが、この人の「撮りたいもの」がまったくブレていない証拠でしょう。「警察が来るように神に願ったが来てくれなかった」などのちょっとしたセリフにもセンスがあります。懺悔シーンでカメラが神父目線なところや、主人公の病名をきっちり伝えてくれないところなど、鼻につかないぐらいのちょっとした工夫も関心します。まったくもってケチのつけようがない映画です。

 まあ、ケチをつけるとしたら、登場人物の善悪がはっきりしすぎているところと、主人公が「グラン・トリノ」になぜ乗らないのかが良くわからないことぐらいですかね。あと、基本的に、僕は監督と主演が同一人物の作品は「どうせ自分をカッコ良く撮ってるんやろ。」とそいつをナルシストに感じてしまうため好きではありません。僕はイーストウッドを元からナルシストと思っているのでこの映画では余計にそう感じてしまいました。演技自体は悪くはなかったんですけどね。

  僕は、野球で言えばストレートしか投げないようなイーストウッドの映画作りの姿勢は好きではないんですが、ストレートだけでも充分に相手打者を抑えることが出来る(=充実した映画を作れる)のなら、それはそれでいいような気もしてきましたね。同じストレートでも彼の球はとても力強く、打ちにくいのでしょう。、「ミスティック・リバー」、「ミリオンダラー・ベイビー」、「チェンジリング」、この映画と僕がここ数年見た彼の映画は好き嫌いは別にしてどれも完成度は非常に高いですし、彼以外のスタッフも優秀なんでしょうが、イーストウッド自体も映画作りの才能がないことはないんでしょうね。そろそろ認めざるをえない時期が来たようです。  

評価(★×10で満点):★★★★★★★★

クリエイティブな言語であるがゆえに、端的に表現できるものがある。

これもそのひとつだと思います。

日本語ってだから好き。

 

今日からいよいよ、パ・リーグが開幕。

全試合中継がありました。

よりにもよって、オリックス-楽天戦だけ生中継ではなく編集版だったのだが、こはいかに。

まだ1試合だけとはいえ、今後の順位が占えそうな試合ぶりでしたね。HR→三振→HR→三振、で逆転勝ちの西武とか。9回ノーアウトで出たランナーを送らない楽天とか。せっかく2打点の活躍だったのに試合に負けて中田をヒーローにできなかった日ハムとか。

しかし、北川を4番に据えたオリックス(というか岡田監督)がある意味いちばんスゴイ。

錚々たるメンバーが並んだ開幕投手の中でいちばん「ウスイ」と言われた金子が岩隈に投げ勝つとは。

 

プロ野球もそうですが、センバツもいよいよ明日開幕です。

 

例によって予想屋の庭。

  ヤスオー    さや

◎ 大阪桐蔭   東海大相模

○ 立命館宇治  智弁和歌山

▲ 帝京      中京大中京

△ 開星      天理

注 自由が丘   嘉手納

横浜高校野球部の小倉部長が、今年度限りで引退するそうです。

 

横浜高vsPL学園、延長17回の激闘のドキュメントを読みましたが、相手を徹底的に研究した小倉部長の戦術には驚きました。

青春とか、泥臭さとか、高校野球においては単純で純粋なものばかりがクローズアップされていますが、テレビに映らない場所ではまるでプロ野球のようなレベルの高い分析が行われていたのかと。逆に言えば、全国レベルの高校は、ここまでしなければ勝てないものなのかと。

渡辺監督との二人三脚は、肩を組んで並んで走るのとはおよそかけ離れた、まるで別々の道をまったく同じ歩数で進んでいるような、ビジネスライクな関係であったように思います。それぞれが役割を負いそれぞれの方法で、選手を勝利に導いていく。しかも何年も。これは高校野球の指導でなくても、とある仕事をペアでこなすことを考えれば、簡単なようで難しいことだと思います。

長崎の清峰高校が初出場で旋風を巻き起こした当時、部を率いていたのは吉田監督と清水コーチの母校野球部先輩後輩コンビ。鷹揚な吉田監督と生真面目な清水コーチ、まるで渡辺監督と小倉部長のような役割分担でしたが、諸事情あってコンビは解散。おそらく好投手今村を擁してさえ昨夏の出場を逃したのは、ここに原因があるような気がします。

 

小倉部長は部長の座を退いてもコーチ業は続けていくそうです。

この最強タッグがある限り、横浜はまだまだ衰えることはなさそうですね。

『不毛地帯』

原作ありきのドラマは、ここが大事とこちらが勝手に思っている部分を端折られることが多いのですが、2クール使ったおかげで、その不満はありませんでした。

ただ。シベリアと石油開発の部分は期待より短すぎかも。とくに後者は走りましたね。これはおそらく最終話ギリギリで「打ち切り」の判断が下されたせいのような気がしますが・・・。

いちばん印象的だったのは、シベリアの凍土に無数に並ぶ墓標の前で、夜明けの空の下壹岐たちが佇む場面です。画面左側、おそらく当初は整然と立てられていた墓標が、右側、数が増えていくにしたがい乱立するようになった。異国の地で命を落とした仲間たちの無念の思いに、生き残った抑留者たちはかける言葉もなく、ただ黙然とその骨を埋めるしかない・・・戦後日本の歴史では語られることの少ない無惨な姿でした。

坂本龍一の主張の少ない、しかし存在感のある音楽もすばらしかったです。

しかし特筆すべきなのは唐沢寿明の演技です。『白い巨塔』は、正直ミスキャストの感があったのですが、今回はすばらしかったです。台詞もあまりなく、感情をあらわにする場面も少なかったのですが、過去のトラウマ、鮫島への不快感、千里への慕情など、ちょっとした時に見せる感情の揺れが、壹岐正という、かつては戦争、そして企業の中でもまれ、日本という国の先頭に立ちながらも、決して己の信念を曲げず意志を貫き通し、ひとりの人間であることを忘れなかった、男の生きざまを見せてくれました。『沈まぬ太陽』の渡辺謙も見事でしたが、唐沢寿明もそれに劣らぬ、山崎豊子の描く矮小でしかし偉大な人間像を体現してくれたと思います。

脇を固めるキャストも原作のイメージを裏切らないものでした。大門社長の原田芳雄は(関西弁が拙いのは仕方ないとして)言うまでもなく、副社長役の岸部一徳は原作を読む時にあの喋りで朗読してしまうくらい。鮫島の痛快な粘着質ぶりはカメレオンのような多面性を持つ役者・遠藤憲一の魅力あってこそですね。千里や紅子も昭和の女らしくて良かったです。狂言回し的な阿部サダヲもいい立ち位置でした。

視聴率がふるわなかったのは残念ですが、この手のテーマで一般ウケしようというのが間違いですね。

でも、ちゃんとついてきた人を満足させるには、充分すぎるほど充分な重厚感を持った、ひさびさに胸にずしんと響くドラマでした。

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ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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