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さぶ~。
仕事場へ向かう道、田んぼの畦には残り雪。
積もらなくて良かったやら、少し景色が殺風景やら。
帰り道、店の前では吹きっさらしの店員さん。
「恵方巻き、いかがですか~」
寒いのに大変ね、どれどれ買っていこうかな。
Σ(゚Д゚;)
高ッッ!!!
・・・素通りしました。
『聖なる怪物たち』
医療ドラマが好きなのと、キャストに惹かれてついつい観てしまいました。初回から迫力満点です。
岡田将生くんは、頼朝よりもよほどこっちのがハマっています。中谷美紀も司馬先生(『振り返れば奴がいる』)ばりの接近戦。怖いです。長谷川博己はすっかり売れっ子だなあ。加藤あいも苦悩のあまり人の道からはずれそうになる女性を好演していますし、代理母候補も鈴木杏という演技派を持ってきていることでこれからの展開に期待ができます。何よりもちょっとまだキャラの見えない小日向文世がどう動くかが気になります。
有名人がこの「代理母」なる方法で子どもを授かったことで、何年か前に話題となりましたが、代理母にしても卵子提供にしても、シロートの私ではその是非をたやすく判断することはできません。ただ自然の摂理に反する=生死を操るというならば、延命治療などすでに行われている行為もあるし、大切なのは、産むことよりも、産んだ後なのではないかなあという気もします。この世に生まれいでた命がもっとも大事な栄養源である愛を知ったか知らぬかのうちにその愛をあたうべき親によって奪われてしまう悲しいニュースが後を絶たないこの世の中ですので。
これも原作ありですが、最近はドラマオリジナルの佳作が少ないようです。
『開拓者たち』(最終回)
ちょうど『カーネーション』の展開も戦争が終わった直後。戦後といっても、いろいろな戦後があったのだなと思います。同じ日本でありながら、こんなにも状況は違うものかと。誰しもがその心に癒えない傷を負ったことは平等であると思いますが。
千振から幾人かの残留孤児が生まれたくだりについては『大地の子』と状況がかぶるため、盛英らも一心のような人生を送ったのかと思うと、さらに胸が痛む思いです。富枝も「文化大革命の時はつらい思いをした」とのひとことで語っていましたが、おそらくそれでひとつのドラマが作れてしまうほど、筆舌に尽くしがたい体験だったことでしょう。戦争が終わっても、それぞれの戦後で、それぞれの苦難は続いていたのだと、8月15日でひとつのカンマを打つ教科書では語られない、これも日本の歴史、私を構成する分子のひとつでした。
「生きてさえいれば、何とかなる」
澄んだ目で開拓の経験を語る人びと。苦痛も苦難も生も死も、すべてを乗り越えたからこそ、その言葉には説得力があります。告白には幾許かの勇気を要したかもしれません。その過去を分け与えてくれたことに敬意と感謝の念を捧げたいと思います。
真摯に開拓者たちを演じた俳優たち、そして丁寧に映像を作り上げたスタッフたちのおかげで、ドキュメンタリードラマと呼ぶにふさわしい見ごたえのある作品になったと思います。最後の老けメイクはデジタル化において少し無理があったかもしれませんが・・・。最近は人の一生を描く場合、回想記のようにしてあらかじめ高齢の役者を配することが多いですが、観ている側としてはどちらが良いのか、悩ましいところです。
『カーネーション』
「糸子、不倫をする」の巻が終わりました。
土曜日はめまぐるしい展開でした。堂々と恋愛宣言をした後、「稼いだらいいんやろ、稼いだら!」という糸子主義をここでも貫き、周囲をお金の力で黙らせた糸ちゃん。
右に札束、左に男、で浮かれポンチの糸ちゃんを冷ややかに見守る人々。もちろん本人がそれに気づかないわけはなく、まるでわざと周りに聞かせるかのような傲慢な発言の数々は、まるで治りきっていないかさぶたを剥くかのような自虐的行為にも見えます。己の主義主張を貫けば貫くほど、乖離していく人々の心。恋人とて、例外ではありませんでした。彼のためと動けば動くほど、空回りする愛。それはまるで巻きすぎた時計のネジのよう。ふたりの時間はいつからか、止まってしまっていたのです。糸子はようやく最後の決断を下します。
これ以上ない決着に見えました。糸子と周防の心模様、周囲の反応、子どもへの影響など、ぎゅっと濃縮100%の回でありながら、ラストに余韻を残す上質なラブストーリーでした。
ピアノ買うて攻撃、奈津の結婚など、今週はちょっと性急で、雑多な印象がぬぐえませんでした。きっと、不倫の印象を薄めるためだったのだろうと思いますが、ここはじっくり見たかったかなあとちょっと残念です。周防はまるでダンジリのごとく突っ走ってきた糸ちゃんのペースを乱すはじめての男。登場した時は物語自体のテンポが激変して、不快でさえありました。トータルで観るとこの周防の巻は上質を保ってきたこのドラマのはじめてのつまずきのような印象がありますが、「天下の朝ドラ」という制約ある中、不倫という難しい役どころを丁寧に演じた尾野真千子も綾野剛も大変だったろうなあと思いますし、NHKの「やったったで!」感はしっかり伝わりました。女性の一代記、朝ドラ素材にはうってつけの素材ながら今まで採用されなかったのは、この部分が原因だったのでしょうから。
それにしても、ふたりの別れは奥さんの病気が鍵、などと浅はかな予想をしたものです。そんな自己犠牲の精神にあふれたキレイな不倫の終わり方なんて存在しませんから。恋におちたら妻がいようが夫がいようがふたりの世界、最初から最後までふたりだけ。糸子と周防ももれなくそうでした。実際、糸子は周防の妻がピカの後遺症に苦しんでいると聞かされた直後でさえ、ばったり再会したことを「運命」などとはしゃいでいますし。苦笑さえこみあげてくる皮肉な描写です。ことごとく、ドラマの定義を裏切るドラマです。
周防に別れを告げる糸子は美しく、凛々しく、清々しくもありました。まるで『風とともに去りぬ』のスカーレット・オハラのようです。オハラ・・・そういうことか。
サーモンピンクのも、グレーのも、ボルドーのワンピースもそれぞれに素敵でした。次週から、高度成長期に向かってますますおしゃれの大輪の花が咲きそうです。子役もさま変わり。個人的に、新山千春は『リミット』、『SUPPINぶるうす』の好演があるので期待しています。ヒロインオーディションの最終選考に残ったというパワフルな次女も、勝さん似? のおっとりマイペーススポーツウーマン三女も、ダンジリ母に負けず劣らず、それぞれ個性が光ることでしょう。
『カーネーション』
いやぁ・・・朝ドラにしてはショッキングな展開ですなあ・・・。
『セカンドバージン』や『カレ、夫、男友達』をはじめ、基本ドラマの恋愛は現実の倫理観をすっとばしたところで展開するものだと思っていたので、別に抵抗はなかったのですが、糸子のこれに関しては、「・・・」でした。
朝ドラだからというのもありますし、糸ちゃんの人生を幼少期から観てきているだけに、言ってみれば小さい頃からの仲良しが不倫しているところを見てしまったような感じでしょうか。恵さんが「気色の悪い!」と言い放ちましたが、まさにその感覚です。糸ちゃんかわいそう、とは微塵も思いませんでした。「人のもんやのに・・・」と涙を流すところまでは非常に美しかったのですが、しょせん不倫は不倫、キレイな不倫なんてありませんし。
主人公である以上、糸ちゃんに感情移入しなければいけないはずなのに(しかもドラマはまだ続くのに)、挑戦的な描き方だなあ、と思いました。
「組合長が若干けしかけたフシがある」「恵さんが喫茶店で大泣きするから噂が立った」「自分から辞めると断言しないズルイ周防」「勝さんの顔見られますか、て、その人も浮気してたんやけど」など、主人公に反論の余地を残しつつ、しかし言い訳せず罪を背負うと断言させるところなどは、糸子らしいっちゃらしいのですが、「周防さんは近づいてこない」「見つめ合うだけで幸せ♪」的なプラトニックラブを示唆しておきながら、「罪を背負うってことは不倫関係?」「自然に抱き合ってるけど、何や知らんいつの間にかデキてんねやん」と昼夜のドラマに慣れ切った身としては消化不良の感もなきにしもあらずです。これが朝ドラの限界なのでしょうか。まあ、不貞行為にあたるかどうかはともかくとして、妻子ある男性を好きになって近くにいられるからと店で雇い、誰もいないところでハグをする、また妻子ある身で女性を好きになり近づきたい一心で店に雇われ、ハグされたらハグし返すのは、充分に良心の呵責に値する行為だとは思いますけれど。
しかし、周防はズルイ男ですね。告白も糸子からだし、糸子は好きだけれど奥さんは見捨てられない。なのに雇ってほしいといけしゃあしゃあと頼みに来て、抱きつくのも糸子からで抵抗せず抱き返す。「辞めましょうか」じゃないだろ、「辞めます」だろう! と受け身の姿勢にイライラしっぱなし。これも本来なら同情すべき主人公の恋を応援できない理由です。あまり男性として魅力的ではないけれど、糸子が惚れるのは、ま、相性なのかなと思います。『源氏物語』にも、女は従順で可愛らしいのがよし、でも仕事はできなきゃダメと言っていますし。男女をとりかえればまんま周防だな。糸子はお父ちゃん気質ですし。
同じ脚本家が描いた『ジョゼと虎と魚たち』での妻夫木聡演じた主人公も優柔不断でしたが、恋愛をキレイごとに描かずにひとくせピリリと効かせているあたりが似ています。そういえば彼も九州男児だったが・・・。
本来、恋とは人間の原始的な本能ですから、倫理観をよそに恋心が産まれるのは自然なことなのでしょうが、そこは人間ですから、自制心が働くのもこれまたあたりまえだと思うのです。しかし箍が外れたら、人間は欲求に忠実な野生に戻り、倫理観は吹っ飛んでしまう。糸子は店主としての立場を建前にもっともらしいことを論じて自分の恋を正当化しようとしていますが、結局は己の欲望を優先する理性を忘れた愚行にしか見えません。ただそれを糾弾する周囲とて、洋装店は糸子の夢だったからという建前をもとに糸子に店主、家長としてすべての責任を負わせ、糸子が女としての幸せ、青春のすべてを棒に振るのを傍観してきたのですから、今更それを盾に詰るのもどうかなと観る者に思わせるあたり、まるで「罪なき者まず石を擲て」とイエスが言ったヨハネの福音書に出てくるワンシーンのような、うまい演出だなと思いました。
ふたりの恋はじき終わりを告げるのでしょう。周防の妻は長崎のピカの毒で病の床にある、というのが鍵になりそうですが、いったいどのようなオチをつけるのでしょうか。
そういえば、「朝ドラで不倫とは何事か!」という批判を避けるかのごときタイミングで、主役交替が発表されました。尾野真千子の糸ちゃんに魅せられた身としてはショックですね・・・。最初から知っていれば受け容れられたのでしょうが、ちょっとなー。ま、夏木マリの好演を期待します。