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はじめてこの本を読んだのは、高校生の時でした。
タイトルは知っていて、気にはなっていたけれど、
ごっついし、手に取りあぐねていたところ、
突然夢の中でドラマ仕立ての物語を見てしまったという、衝撃的な出会い。
次の日には図書館に行って、分厚い『筑豊篇』を借りていました。
中身は夢とはまったく違っていましたが。
とにかく、分厚さをものともせず、あっという間に『再起篇』まで読んでしまいました。
青春とは、自分の道を探す時間。
若さとは、自分を作りあげるエネルギー。
大学とは、アイデンティティを確立させる場所。
まだ青春の入り口に立ったばかりの17歳の私は、
これからはじまる熱い日々を夢想しました。
・・・が、現実はシビアでした。
私のキャンパスライフは、思い描いていた青春とはかけはなれていたのです。
それは周囲の環境のせいではなく、
私が伊吹信介のように、自分や人生と真摯に向き合えなかったから、
厳しさに飛び込んでいく勇気がなかったからなのかもしれません。
結果的に、部活動中心に動いた学生生活ではあったけれど、、
それはこの本に出会って胸の奥からあふれてきた熱い鼓動とは程遠く、
卒業を間際にして、ふと思い返せば、
『青春の門』のごとくは熱からず、なすことなしに終わったのでした。
青春を終えて6年。
再び『青春の門』を手に取ってみました。
その熱さはもう憧れにならないけれど、
新しい足あとを、心に残していきます。
無我夢中で走りぬく若さは失っても、
時に立ちどまり空を仰ぐ勇気は、
年月を重ねても決して失ってはいけない、
青春の足あとであると。