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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)

奈良の紅葉は見ごろを迎えています。

 

と、いうことで、万葉まほろば(桜井)線に乗って紅葉を観に行ってきました。

目的地は、桜井市の談山神社。

JR桜井駅から、臨時バスに乗って山道を登る。

 

談山神社は、中大兄皇子と中臣鎌足が大化の改新の談合を行ったといわれる場所に建てられたことから、その名前で呼ばれるようになりました。

その一連の流れが描かれた「多武峰縁起絵巻」は、拝殿に飾られていました。入鹿の靴がくるくる回るところ、首を斬られる場面など、なかなかリアルです。

写真集で見られるような、十三重塔を飾る燃える赤にはまだすこ~し、早かったかも。

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でも、見ごろの週末はものすごい人出になるだろうから、早めに行っておいてよかったかな;

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歩き疲れたお腹を満たして・・・

 

 

 

今度は、近鉄線に乗って長谷寺へ。

「うち次ぎては、仏の御中には長谷なむ、日の本の中にはあらたなる験あらはし給ふと唐土だに聞えあんなり」

と、『源氏物語』玉葛の巻にはあります。牡丹で有名なこのお寺、高校の遠足で一度行ったことがあるはずなのですが、記憶がほとんどありません。

参道にはお土産やさんがたくさん並びます。草餅、おいしそう~。

長谷寺といえば長い階段。玉葛も長旅で歩き疲れた足に難儀した描写がありますが、現代人にもなかなかきつい傾斜です。総数399段。いにしえから、多くの人がお願い事をつぶやきながら、上をめざしたことでしょう。

 

ご本尊の特別拝観が行われていました。

 

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粉状のお香を手のひらにすりこみ、五色の輪を腕につけ、お参りします。狭いお堂の中に、見上げても全貌がわからない10mを超える高さの大きな十一面観音様。昔からたくさんの人たちが触れて黒光りしたその足に私も触れ、ご縁を結びます。ちょうど団体客と同じタイミングで入ってしまったので、ガイド役のお坊様からどさくさまぎれにいろいろな説明を聞けました。

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こちらの紅葉は、まだ先の模様。

やはりこのお寺のメインは牡丹ですから、春の季節が良さそうです。

 

ちなみに、万葉まほろば線にはこんなラッピング電車が走っています。

 

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駅で見かけることはあっても、乗ったことはなかったのですが、車内まで奈良一色だったのは驚きました。扉や壁に四季の草木、動物などが描かれ、吊り広告ももちろん、奈良の宣伝です。

二両編成ですが、主要駅以外は前の車両しか扉が開閉しないので、駅に着くたびホームで待っていた観光客があわてて駈け出していました。何故前だけなのでしょう。

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退院したものの、なかなか鼻詰まりが治らない。そして痛みも取れない。なぜか前歯まで響く。微熱も下がらない。怖くて鼻をかめず、綿花詰めの日々は続く。

 

ようやく最初の通院日。椅子に座ると、鼻をグイッとこじあけられ、ノズルのようなものを奥まで突っ込まれた。これがダイソンもびっくりの吸引力。「イデデデ!」と思わず声が出る。痛いといえば、ガーゼ抜きよりこっちのほうが断然痛い。細目を開けると、先生がティッシュの上に収穫物を置いていた。真っ赤な血の塊、あれが自分の鼻に・・・。ゾゾゾと背筋が寒くなる。そのあとファイバースコープで患部を確認されたが、おそろしいので画面は見ないようにした。

よれよれで家に帰る。鼻をすすると突然喉に違和感が走った。あわてて洗面所に駆け込んで吐き出す。赤いプラスチックのかけらのようなものが転がった。かちんこちんのカサブタ・・・というよりは巨大なハナ〇ソである。取り切れなかったものが鼻から喉へ落ちたようだが、誤って飲み込まなくてよかった。刺さったらエライことであった。

 

なかなかスッキリしない鼻にやきもきしながらも、徐々に痛みは引いていった。そして通院をくり返すうちに鼻の通りも良くなっていった。二週間も経つと、まさに「鼻呼吸ってステキ!!」と言える状態にまで回復していた。詰まり始めると思いっきり鼻をかむか吸い込むかしてブツを出し、そのデカさを夫に見せびらかしたりした。

 

退院から1ヶ月以上経た今でも、時折巨大な排出物が出てくるが、基本的には鼻呼吸生活で感動の毎日である。世間の人は普段こんなに酸素を取りこんでいたのかと、ケチっていた今までの数十年が口惜しくなるほどだ。あるフルート奏者は鼻から息を吸いながら口で吐き続ける循環呼吸法で息継ぎナシに演奏できるという記事を読んだことがあるが、今ならそれにも挑戦できそうだ(←ムリ)。

 

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と、いうわけで、思ったよりもツライ手術・入院でしたが、やってよかったです。

しかし・・・嫌な予感は的中してしまいました。

退院後、顔を合わせるなりツレに指摘されたのですが、

やっぱり、鼻が低くなっていたのです・・・ガ━━(´・д・`|||)━━ン

「鼻の高さは変わらないように、根元の軟骨を取りすぎないようにします」と、術前に先生は説明してくれたのですが、手前の骨は取ったために、鼻の頭が・・・。

まあ、鼻呼吸の快適さに較べれば、鼻の高さなんて! あっはっは~! はっはは~・・・

は~・・・_| ̄|○

翌日も白粥にふりかけという味気ない食事が続く。

夫家族がお見舞いに来てくれて、マスクで我王化した顔を隠して応対したが、やつれっぷりは隠せず必要以上に心配されてしまった。

 

オリックスは金子で星を落とし、CS出場がほぼ絶望的になっていた。家で観ていれば皿のひとつも割っていたかもしれないが、自分の状況がそれどころではないため、シーズン中には考えられないくらい冷静にニュースを眺めていた。よってこの日の後藤のサヨナラ2ランでかろうじてCSに望みをつないでも、その数時間後に日ハムが勝利してその望みを絶たれても、さほど心は動かなかった。それよりも『崖の館』『水に描かれた館』『夢館』を一気読みして夢中になっていた。

 

翌日、退院予定日。いよいよ問題のガーゼ抜きである。

この手術において、いちばんの難関がここであると聞いていた。どこを調べても鼻からスイカとか、出産より痛いとか、およそ身震いするほどの情報しか聞こえてこず、ビクビクしながら待ち構えていた。しかも、頼んでもいないのに看護師さんが、「抜く時は痛いですから・・・」と座薬を持ってきて、トドメを刺された。

 

時間が来て、おそるおそる診察室へ向かう。「これ持っていてください」と洗面器を渡され、「じゃ、抜きますね~」と先生。

「フンガー!」とフランケン語を発したのは生涯後にも先にもこれきりであろう。

確かに、鼻から脳みそをひっぱりだされるような感覚だった。しかし座薬のおかげなのか、痛みは予想したほどではなかった。それよりも手に抱えた洗面器に置かれた、蛇のようにびろんと横たわるガーゼの長さに驚愕した。鼻の穴とはこれほどまでに深かったのか。

「はい、これで終わりです。傷口がカサブタになりますから、それを除去するために、週一で通院することになります」

「ハイ」

と、答えた私は、鼻を塞ぐものがなくなったにもかかわらず、鼻声である。

(おかしいな・・・体験記によると、ガーゼを抜かれたあとは、「スッキリ! 鼻呼吸ってこんなに快適だったのね!」と感動するはずなのだが・・・) 

腑に落ちぬまま病室に戻り帰り支度をする。支払いのためコンビニのATMでお金をおろしたり、ナースステーションに書類を提出したりして、ようやく退院。会計は8万ちょっとであった。

ほとんど寝つけずに朝を迎えた。ボンヤリとテレビを眺め、時々うとうとしながら時間をやり過ごす。もちろん、痛みは甚だしい。それで熟睡できない。

その前日あたりから、急激に気温が下がっていた。昨日の浴衣のままだったため、とにかく寒い。やっとお許しをもらって長袖に着替えた。点滴が終わるまであと少し。おとといの夜から何も食べていないのに、お腹はすかない。おそるべし点滴効果。だがやたらとトイレは近かった。

 

昼から夫が面会に来たがこれまた寝たり起きたりでいつの間にか帰っていた。

 

そして私は決断をした。・・・座薬をもらおうと。

人生初の座薬につきあってもらった看護師さんには本当に申し訳ない。それにつけても、朝な夕な働きづめの看護師さんたちには感心しきりの入院生活であった。渡辺えりのような貫禄の師長はいない。もちろん観月ありさのような困ったちゃんもいない。菅野美穂のようなあたりの柔らかい白衣の天使ばかりであった。ナースステーションの裏ではいろいろあるのかもしれないが。

 

夜になってようやく食事が出た。もちろんお粥である。しかも、なんの味もしない白粥。そしてサイズはLL。

ふりかけしか持ってこなかったことをいたく後悔した。夫に練り梅でも持ってきてもらえばよかった。売店に調味料を調達しに行く元気もない。仕方なく、ふりかけをかけて食べたが、これがまずい。本当にまずい。信じられないくらいにまずい。白米にはおいしいふりかけも、その米を煮たらこんなにもまずくなるものであろうか。今後、白粥にふりかけという愚行は絶対に犯すまいと心に誓った。そして入院には練り梅必須とも。

 

鏡を見ると、やつれきった30女の顔がそこにあった。それは仕方ない。鼻が異常にふくらんでいた。まるで我王である(『火の鳥 鳳凰編』)。ガーゼを詰めているのだからそれも仕方ない。が、それ以上のあるひとつの変化が脳裏をよぎった。いや、ガーゼのせいだよな、と自分に言い聞かせて眠りについた。

さて、いよいよ手術当日である。

 

朝食は摂れない。が、早々に起こされる。手術着(浴衣)と前日に渡された靴下のようなものを履いてひたすら午後を待つ。

 

やっと看護師さんが呼びに来て、歩いて手術室へ。ドキドキしながら手術台へ上がると例のダンディな麻酔医が薬を入れ始めた。で、いつのまにやら意識が飛んだ。次に聞いたのは3時間後、「終わりましたよー」の声。ドラマと一緒やな、と朦朧とした頭で思った。

ベッドに乗せられたまま病室に戻ったが、まだ意識はぼんやりしている。ぼんやりしているのに、痛みだけは明確だ。

両鼻の奥までガーゼが詰め込まれているのだが、それを通して血が流れてくる。タオルが血まみれになり、綿花をもらって喧嘩をしたあとの子どもように丸めて詰めたがそれもすぐ汚してしまう。ああ、かみたい。鼻を思いきりかんで全部出してやりたい。が、今両の鼻は完全にふさがれている。ただしみ出てくるのを押さえるしかない、これがストレスである。

熱が出て苦しく、鼻と頭が割れるように痛い(実際、鼻の軟骨は割られたわけだが)。うおお、こんなに辛いとは思わなかった。「たいしたことないですよあっはっはー」などと楽観的に構えていたおとといまでの自分を殴ってやりたい。

付添いが母から夫に代わり、やがて面会時間も終わって帰っていったがそれすらもおぼろげである。

 

看護師さんが様子を見に来て、

「痛みますか?」「はい」「痛み止め出しましょうか。座薬ですけど」「・・・」

座薬を処方されるのは、風邪で高熱を出し姉に病院に連れていってもらったら座薬を出され、「お母さんにやってもらいや! 私は絶対いややで!」と主張する姉の剣幕に、座薬とは何たるかを知った12歳の冬以来であった。30代になってなお躊躇するのは、結局その時座薬を使用しなかったためである。

そして断ったことを、深夜になっていたく後悔する羽目になる。

痛みのせいでなかなか寝つけなかった。トイレは幸い部屋の目の前であったが、点滴ごと動かなければいけないため、これが面倒くさい。ベッドに戻って差し直した点滴のコードがきちんとはまっておらず、深夜の病棟に鳴り響くエラー音に看護師さんを走らせる、迷惑な患者であった。

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