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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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ヤスオーのシネマ坊主・2014~

鍵泥棒のメソッド 9点
内田けんじの脚本はさすがという感じですね。あちこちに貼った伏線が最後見事にすべて回収されています。ただ、それだけだとこの映画は「その時は楽しめた」とか僕に適当に言われて6、7点ぐらいです。この映画が9点の理由は、この映画は表面上は「コメディ」であり「いつもの内田けんじのラストのどんでん返しを楽しむ映画」ですが、「ラブストーリー」という映画のテーマがしっかりしているところです。僕は以前この監督の「運命じゃない人」を見て、その時は脚本の巧みさを楽しめましたが今はストーリーなんかまったく記憶がないです(笑)。しかしこの映画はラブストーリーというテーマがしっかりしているので、たぶん時間がたってもストーリーを憶えていると思います。
そのラブストーリーの主人公である香川照之と広末涼子の演技もいいですね。香川照之の記憶を取り戻してスーツに戻った瞬間の演技なんかはさすがです。広末涼子もこの映画の役はハマっていましたね。コメディでちょっとトボけた役は向いているのでしょう。

闇の列車、光の旅 6点
まずギャングの怖さ、殺伐とした町を描くという点では「シティ・オブ・ゴッド」の方が上です。ラブストーリーとして見ると主人公とヒロインの心理描写が少し浅くて、イマイチ感情移入できなかったかなあという感じです。ストーリー展開も予定調和です。この映画で何か他の映画で勝っている点といえば映像ぐらいですかね。ロードムービーでもあるので貨物列車からの風景は重要なところでしょうし。

カラスの親指 5点
まず尺が長いのがマイナスですね。このテの映画はラストでグワッと点数があがる可能性を秘めているのでしょうが、親指である親ガラスの演技力がなさすぎてちょっとだらけた雰囲気になりました。サスペンスではなくてコメディとして見るとラストもほのぼのしているのでよいかもしれませんが、コメディとして見ても途中にそんなに笑うとこもないですしそんなに良い映画ではないでしょう。

テルマエ・ロマエ 6点
退屈でもなく、盛り上がるわけでもなく、脚本自体は可もなく不可もなくですが、設定が奇抜で面白いので普通に楽しめました。まあだから原作を書いた漫画家の着想が良くて、それをなんとかそれなりにまとめて映画にできたからそれなりに見れる作品になったということでしょう。主演が阿部寛じゃなかったらもうちょっと点数は低いかもしれません。

Mr.インクレディブル 8点
さすがディズニーという感じで、完成度の高い映画です。家族それぞれのキャラクターも魅力的ですし、ストーリーのテンポもいいし、ケチをつけるとこはひとつもありません。ただまあモンスターズインクのようにラストで一つ突き抜けるようなものはなかったですね。

ジャンパー 6点
日曜洋画劇場か何かで吹き替えでやっていて、たまたまタイミングが合って見たらそれなりに楽しめる映画です。その時は楽しめますがすぐに忘れる映画の典型ですね。世界観に深みがないからでしょう。「パラディン」の存在が意味不明でしたし。

月に囚われた男 6点
そんなにびっくりするラストでもなく、かといってそんなに風呂敷を広げているわけでもないから腹も立たない、小さくまとまった映画です。僕よりもっとSF映画をたくさん見ている人ならもうちょっと色々思うところがあるのかもしれませんが、僕はSFだけでなく映画自体そんなに見ないので、普通だなあという印象です。

風立ちぬ 9点
この映画は、主人公の堀越二郎が飛行機のことばかり考えている、病人の横でたばこを吸うような自己中な人間で好きになれないという批判が多いです。まあ確かにその通りなんですが、二郎はラスト前に設計した飛行機の飛行テストが大成功したとき、遠くの山の方を見てうかぬ顔をしています(ここはこの映画の一番のキモだと思うので、答えを言わずに、ここに注目しているぞとだけさや氏に言いました)。ああ、結局そっちなんだな、という何ともいえない哀しい感情になりました。ディズニー映画なら飛行機が上手く飛んで恋人の病気も治るでしょう。凡庸な日本映画なら飛行テストが成功したらとりあえず主人公は喜び、その後死んでしまった恋人の墓に行ってテストの成功を伝えながら泣いているでしょう。さすが宮崎駿ですね。まあ、僕は、飛行機設計という自分の夢にとことん実直な二郎も好きですが。

デビル(2010年作品) 6点
シャマランという人のアイデアを若手が監督するというプロジェクトの第一弾らしいです。僕はシャマランという人の作品は全部観ていたのですが、ついにエアベンダーは我慢できなくて途中で観るのをやめました。それに比べてこの映画は、ハッタリを効かせることだけが上手いかつてのシャマランらしさがあって良かったです。まあ彼が監督なわけではないのですが。結末は相変わらずポカーンとして終わりですが、それでいいのです。

凶悪 7点
ピエール瀧とリリー・フランキーが、電気コードやスタンガンでじじいをいじめて喜んでいるシーンがとにかくインパクトがありましたね。子どものようにはしゃぐリリー・フランキーの演技にはちょっと感動すらしてしまいました。ただ、山田孝之が演じる雑誌記者は、彼の内面も周辺の人間関係も描写がすべてベタで中途半端でしたね。女上司とか認知症の母親とか嫁とかむしろ出さなくてもよかったです。この映画はまったく違ったタイプの2人の悪人の凶悪っぷりを見る映画だと思いますから。

脳内ニューヨーク 2点
ストーリーは理論的には説明できないしろものですが、作り手の言いたいことはわかりますし、こういう映画を評価する人がいるのはわかりますが、僕はこういう独りよがりの映画は好きではないですね。この監督は客を楽しませるとかそんなことよりも、自分は映画でこんな表現ができるんだ、おれすごいだろみたいなことをいいたいのでしょう。

リトル・ランボーズ 7点
これは脳内ニューヨークとはまったく違う、典型的な小さくまとまった佳作です。スタンドバイミーように観た後に残るなんともいえない感情はないですが、そこそこ面白いのではないでしょうか。悪ガキともやしっ子が出てくるのですが、もやしっ子の方の人物描写がやや弱かったですかね。ラストもベタベタでした。

トロール・ハンター 3点
面白くないですね。「こんなに堂々と出てくるトロールにみんな気づかないわけないだろ。」というバカバカしい設定に別にケチをつける気はないです。むしろこんな設定で長編映画を作ろうという意欲は買います。ただ、登場人物に感情移入もできないし、ストーリー自体は面白くないし、緊迫感もメリハリもないし、まあ、純粋に見てて面白くないとしか言えないですね。ノルウェーにはこんな映画もあるんだなあということだけはわかりました。

さんかく 7点
登場人物がみな一見おかしい人達なんですが、よく考えたらそんなにおかしくもないぞ、というか自分がまさにこいつ(男は高岡蒼甫、女は田畑智子)と同じじゃないかと思わせる映画です。ほとんどの男はいいかっこしいで浮気もするし、ほとんどの女はダメ男を好きになるし感情で動く生き物だし。共感しやすいという点でこの映画の評価は高いんでしょう。高岡蒼甫と田畑智子の演技も良かったですしね。

クラウドアトラス 7点
面白いんですけどね、とにかく長い。この映画はテーマは壮大なんですが、たぶん娯楽作だと思います。人種問題、ゲイ、原発、宗教、まあ挙げていけばきりがないぐらい色々な問題を描いていますが、この映画は娯楽作だと言い切れます。娯楽作にしては長すぎます。あと、やはり韓国ソウルを舞台にするのはやめてほしかったですね。アジアの都会を描くのに一番ふさわしい都市は普通に考えたら東京でしょう。そういうところを踏まえてこの点数です。

チャイルドコール 5点
登場人物がみんなメンヘラに思えるので誰の視点で見たらいいのかがよくわからないし、ストーリーもどこまでが真実でどこまでが妄想かもわからないし、まあそういう何が真実かわからないなかで伝えたいものは伝わってくるので、悪い映画ではないのですが、見終わった後何かスッキリしないですね。今までにあまり見たことがないタイプの映画ですが、登場人物が少なくて世界観も小さいですし、佳作といったところでしょう。

ライフ・オブ・パイ 6点
最後までちゃんと見るとなかなか考えさせられる映画ですね。しかし序盤の退屈さはいかんともしがたくて、さやさんは寝てましたよ(笑)。あと、僕が神や宗教にまったく興味がないのも、おそらくいい映画であろうこの作品の評価が6点の理由です。


テッド 5点
この映画はコメディなんですが、アメリカが好きで好きで、アメリカの大衆文化に精通してる人じゃないとたぶん笑えないですね。シュールな笑いが好きな日本人の僕はそんなに面白くなかったですから。後半はわりとシリアスなストーリーになります。つまらなくはないんですけど、展開は非常にベタなので、あえて見ないといけない映画でもないですね。

きっと、うまくいく 9点
映画ってのは時間もとられるし、集中せな話わからんようなるし、結果的につまらなくて時間を無駄にすることも多いしで、苦行だと思うこともあるんですが、こういう映画を観ると、映画はやっぱり面白いなあと思いますね。テーマ自体ありきたりですしストーリーも分かりやすいので、世間の評価が高いのも納得です。ただ、やはり僕はインド映画特有のダンスのシーンとかはダメですね。そのシーンはスマホのゲームしてましたから。だから1点減って9点です。

真夏の方程式 3点
前作の「容疑者Xの献身」より「真夏の方程式」の方が映画としてはよくできていると思います。しかしヤフー映画の評価の平均は「真夏の方程式」の方が5点満点で0.5点ぐらい低いです。僕もこの点数と同じく「容疑者Xの献身」の方が好きです。同じ監督、同じ原作作家、脚本家、同じ主演俳優なんですけどね。一番大きいのは堤真一の演技、あとはまあヒロインの変更などから垣間見える色々な裏事情でしょうね。

ブレス 6点
今思えば、デビュー作の「鰐」という映画でこの監督は描きたいものをすべて描いていますね。デビュー作らしく荒っぽい映画ですけど。
それに比べたらこの映画はよくまとまっています。ただ、この人はとんでもない感性の持ち主ですが、あとの映画も基本的なテーマは「鰐」とそんなに変わりません。
だからこの人の映画ははじめに観た映画の方が強烈なインパクトを与えます。僕はけっこう観ているので、「ブレス」を観てもそんなにインパクトは感じなかったですね。

カラフル 8点
・主人公とプラプラの2人の声優が本当にヘタ。この2人の起用理由は見えない力ですかね。
・玉電の描写にここまで時間と労力を使う意味も不明。電車とストーリー関係なし。
上記2点で点数が2点減りましたが、それ以外は素晴らしいと思います。この監督は野球で例えるとストレートしか投げられないんですが、球速があり、球威もあります。ただ、ストレートしか投げれないゆえに、「河童のクゥと夏休み」のようにバタくさすぎて好きになれない映画もあります。

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10/23 ドラフト会議  ヨウコソオリックスヘ♪ (○´・∀・)o<・。:*゚;+. パ-ン!!
未来の球団を担うニューフェイスたち。1位は昨年に続いて単独指名の、明治大学・山崎福也。日大三時代に甲子園に出場していたので顔や名前は見知っていましたが、森脇監督お墨つきの「カワイイ」顔に加え、その夜の特番でまさかのトップ紹介、新たなオリ姫たちがどどんと増えたことでしょう。ともかくも貴重な左ですから、松葉に続く先発枠としてローテ定着を目指してほしいです。2位は高卒内野手の横浜隼人・宗佑磨。身体能力に光るものがありそうです。今は安達が構えている正遊撃手の座、世代交代の際には堂々とスタメンに名を連ねてほしいもの。その後の特集でお母様が女手ひとつで立派に子育てなさったことを知りました。これからも立派に親孝行してほしいですね。
3位はヤスオーが目をつけていた右投手の大分・佐野皓大。西以降の高卒投手がうまく育っていない現状、5位の齋藤(北照)、9位の鈴木(雪谷)と切磋琢磨して、順調な成長と未来のローテ投手になることを願います。
4位、6位は社会人投手、7位、8位は社会人野手。今年も大盤振る舞いのもようです。
2位という好成績をおさめたものの、正直選手層はスッカスカ。むしろその層の違いが順位をわけたといっても過言ではありません。全員がんばれ、主力をめざせ、若オリたち。

11/11 金子国内FA権行使を表明  ( ̄□ ̄;)ガーン
ううむ…そう来たか…。
これはやはり「ヘイヘイ、ポスティングを認めてくれないんなら、よその球団に行っちゃうよ?」という脅しなのでしょうか…。
そもそも国内FAと海外FAには一年の開きがあり、30代に突入している金子の気持ちとしては、メジャーに行くなら一刻も早く行きたい、成績をおさめた今年に勝負したということなのでしょうか。しかし球団はポスティングを認めない姿勢を崩しておらず、それならば、と最後の手段に出たのかもしれません。しかし問題なのは、もし金子が来年メジャーにポスティング移籍したとしたら、今後もこの手段を使って移籍をちらつかせるメジャー志望の選手が出てくるかもしれないということです。代理人の妙案は、NPBのルールの盲点を鋭くついてきたことにより、大きな波紋を呼びました。
世間では賛否両論巻き起こり、さまざまな憶測も飛び交っていますが、金子はメジャーに行きたいとも他球団に行きたいともオリックスに残りたいとも明確な真意を口にしておらず、その思うところはまったくもって謎です。ただでさえ何を考えているのかよくわからない選手ですが。

11/25 金子メジャー断念→右ひじ手術  ( ̄◇ ̄;) エエー
24日のファンフェスタはニコニコ生放送で楽しみました。いやー、おもしろかったです。チーム対抗戦の軟式野球やトークショーなど、試合中には見られない選手たちの一面が垣間見られて笑いっぱなしでした。チームキャプテンの坂口・平野恵・平野佳・岸田は野球選手とは思えない巧みなトーク術でしたし、鉄平や山崎がいじられている姿にはチームになじんでいるのだなあと何だかうれしかったです。馬原は見た目どおり話し方も内容もしっかりしていると思えば、一見おとなしそうな松葉が話せるのは意外でした。エステバン宮崎は今思い出しても笑えてきます。
ファンフェス後には、金子の突然のメジャー断念発表がありました。ただでさえ何を(中略)わからない選手ですが、ともかく国内に限った話であればオリックスにまだ分があるかもしれません。
と思えばその翌日、右ひじ手術の報が。…なんだそらー!! そうか、道理で野球対抗戦にも出てこなかったわけだ。キャプテン坂口が「うちは怪我人が多い」とこぼしていたわけだ。
それにしても、ただで(中略)ない選手ですが、事態はまさに急転直下。FA権表明直後はすわ金子獲りと複数年やらポスOKやらの条件を出して群がっていた他球団が、手術表明でいっせいにざざーっと引いていったようにも見えます。そんな中オリックスは手術代もリハビリも面倒見るよと手厚い看護。もう残留しか見えない! 見えないよね?

11/26 小谷野、オリックス入り表明  ゚+.( *≧∇)ノノノ*.オオォォ☆゚・:*☆
日ハムからFA宣言していた小谷野が、まさかのオリックス入りを決断。まさかの、と言いたくなるくらい、ライバル西武有利の報道が寸前まで流れていましたから。「あーあ、またかよ…松井稼頭央といい、片岡といい、西岡といい、手を出しては振られっぱなしだったし、今回もしょせんあて馬か…」と意気消沈していたところに、この報道を見た時は、何かの間違いでないかと思いました。なんだったんだ、あの西武カラーネクタイや在京志向の報道は…。まさに逆転ホームラン。森脇監督の直電のおかげです。
それにしても今年の開幕戦、サヨナラヒットを打たれた小谷野が、年の暮れにはオリックスのユニフォームを着て入団会見することになろうとは…アンビリーバボー!

12/5 中島、オリックス入り決定  (  ゚  ω  ゚  ) ・・・
いやもう…言葉が出てきません。
「西武は条件が悪いから仕方ないとして、マネーゲームなら阪神でしょ?」と、直前まですっかり傍観者だったのですが…。
確かに中島は脅威のバッターでした。西武にいた時の話ですので、過去形です。アメリカに渡ってからの中島は日本時代の面影はなく、成績はまったくといっていいほど残せませんでした。インタビュー記事等を見るに、モチベーションをすっかり失ってしまっていたようです。そのせいでの成績不振なのか、他に要因があったのか、それは定かではありませんが、今現在の中島は、日本時代をも超える高額年俸を提示してまで獲得する価値のある選手なのだろうかと、はなはだ大きな疑問符がつくわけです。
…しかし、入っちゃいましたか。
慣れ親しんだパリーグですし、山崎とは幼なじみらしいし、元同僚の原拓もいるし、糸井とは仲良しらしいし、土よりは守りやすい人工芝だし、本人が望む静かな環境は阪神を遥かしのぎますし、お金の問題は置いておくとして…うんまあ、阪神よりはオリックスを選びますかね。
懸念すべきはポジションです。今のチームでどこが不足かといえば二塁です。平野の次はスーパーサブの原拓か、五段階くらい下の縞田か、勉強中の堤しかいません。だから本当に誰が来てほしいかといえば、川崎宗則(彼に関してはどこの球団ものどから手がでるほど欲しいでしょうが)、あるいは今の守備力は知りませんが田中賢介あたりか。中島はアメリカで二塁を守ったこともあるとはいえ、森脇監督の目指すところのオリックス野球でセンターラインを守るのは厳しいでしょう。遊撃の安達は動かしてほしくありませんし、三塁を小谷野・ヘルマン・中島で回すのか? それともひとり一塁に回してT-岡田をレフトに戻すか? そうするとTの怪我が心配ですし。DHはおそらく獲得濃厚なブランコでしょうし。そもそも、中島はポジション併用の扱いで我慢してくれるのか? うーむ、結局層の薄さがあまり解消されていないような…。
まあ、そのあたりは森脇監督や福良ヘッドコーチの判断に期待するとしましょう。
西武時代の中島といえばとにかく打たれた憶えしかなく、「しょーもない球団」発言事件もあって(これは故意死球がよくないけれども)あまりいい印象がありません。しかし来たからには応援します。GReeeenも一緒に歌っちゃいます。
それにしても、よ…。
糸井・小谷野・中島が同じチームだなんて、3年前の自分に教えてあげたら「はあ!?」と一笑に付すでしょうね…。


 




カラスの親指

凸凹詐欺師のタケとテツのもとに転がり込んできたまひろ・やひろ姉妹とやひろの彼氏。5人は協力しあって、ある一世一代の大勝負に賭けて出ます。
…出るのですが、出るまでが、なっがいなっがい!
160分もあるので見る前から不安だったのですが、とにかく長い。余計な部分を省けばせいぜい135分くらいで収まるはずです。出演者・物語に不満がなかっただけに、そこだけが残念です。
芸達者な阿部ちゃんは言わずもがな、村上ショージが案外いい味を出しています。もちろん、演技は標準語含めて「ドヘタ」なのですが、「なんで村上ショージやねん」という疑問は最後の最後で解決します。これが普通の俳優であればこのラストのどんでん返しは成り立たなかったかもしれません。
『あまちゃん』前の能年玲奈ちゃん。やはり透明感のある輝きを放っていました。最初は誰だかわからなかった石原さとみも、一風変わった小柳友も好演でした。
ストーリー展開にはちょっと無理があったり、ダレてしまう部分もありましたが、大博打の詐欺をしかける場面には迫力があってハラハラドキドキ楽しめました。ただやはり冗長すぎてタイトルにもなっている「親指」の場面が死んでしまっているような気がします。ラストシーンも、村上ショージの演技力がもう少しあれば、感動できたかもしれません。芸達者で演技の上手な芸人も大勢いますが、彼はその意外なひとりではなかったようです。

潔く柔く

原作はいくえみ綾の少女漫画。未読です。
主人公は高校生の時に幼なじみの春田を事故で亡くしたカンナ。
一方、小学生の時に同級生と事故に遭い、自分だけ生き残ってしまった禄。
身近な人の死に対し罪悪感を抱きながら成長してきたふたりが出会い、ともにとらわれ続けた過去から脱却し、未来を見つめなおして歩きだす、そんな物語。
長澤まさみと岡田将生、なんとも美しくさわやかなツーショットです。カンナの高校時代のエピソードに登場するのも高良健吾、波瑠、中村蒼と、鞆の浦のおだやかな街並みにはまぶしい若手俳優ばかり。とはいえ、15歳の設定にはちょい無理があったかもしれません…。もしこの物語の過去編がカンナひとりに絞られていたならば、別の子役を使うことも可能であったかもしれませんが、禄の制服時代も尺を取っているので、本人に演じてもらうしかなかったのでしょう。
カンナと禄、同じような葛藤を抱くふたりが結ばれていく過程は自然でしたが、それぞれのエピソードを盛り込まなければならなかったために、かんじんのその葛藤が深く描かれておらず、禄の解決のきっかけ(睦美の声)も唐突な感がありました。
また、カンナと春田の友人であった朝美と真山のその後がまったく描かれなかった(社会人になった朝美は一瞬だけ再登場しましたが)のもちょっと疑問があったのですが、あとで調べてみると原作はオムニバス形式で、カンナ編や禄編の他に朝美編も真山編もあるようです。こちらを読んでみたほうが、カンナや禄の心の動きもあわせてじっくり雰囲気を味わえそうです。
禄編の事故で亡くなった同級生の姉・希実が印象に残りました。池脇千鶴の演技力もあるのでしょうが、妹の死を受け止めきれない家族の抱える重荷を自分でも気づかないうちに禄へ集約してしまう、矮小な人間の業と哀しみを感じました。

リンカーン


監督は『シンドラーのリスト』のスティーブン・スピルバーグ、主演は『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のダニエル・デイ=ルイス、と聞くだけで重厚な伝記作品の香りがしてきます。
リンカーン大統領といえば「人民の人民による人民のための政治」というゲティスバーグの演説が有名ですが、物語はその後から始まります。リンカーンの目下の苦悩は南北戦争の泥沼化に加えて、憲法修正第13条法案の成立。奴隷制度廃止に反対の民主党はもちろん、共和党の中にも黒人への選挙権付与を推進する急進派がいたり奴隷制廃止に消極的な議員がいたりとなかなか意思統一が進まない。法案を通せないまま戦争が終結すれば、奴隷解放宣言は実行力を持たないまま有名無実と化してしまう。南北戦争で息子を亡くした妻にはつらくあたられ、親の心知らぬ長男は従軍を希望するという。政治家として、人として、父親として、リンカーンの戦いの日々が描かれています。
この映画を見るに当たっては、予習が必要と聞いていました。少なくとも修正第13条の内容に関しては頭に入れておくべきだと。しかし時間がなくて素の頭のままで見始めてしまったのですが、そこまでわけがわからないということはありませんでした。
リンカーンといえば、小学生の頃に伝記を読んだ記憶があります。奴隷解放の父はアメリカのために尽力した偉大な政治家としてインプットされました。
ただこの作品はそのような「偉大なリンカーンの伝記物語」ではなく、修正第13条可決のためにロビイストを使ってさまざまなかけひきを行い、心理戦をしかけるという、手を汚すことも辞さない政治家としての一面が中心に描かれています。さらに驚いたのは、リンカーンのいう「平等」は「制限つきの平等」であり、トミー・リー・ジョーンズ演じる急進派のスティーブンス議員が主張する選挙権付与は却下します。もちろんその背景には政治的意図があるにせよ、差別に怒り未来を憂えて立ち上がった伝記の中のリンカーンは映画の中には出てきません。あくまで政治家として、アメリカの未来のために冷静に、今すべきことをひとつひとつ行っていったのです。それがゲティスバーグの演説であり、奴隷解放宣言であり、修正第13条法案の可決であった。この映画はそのリンカーン大統領の日々の最後の部分を切り取っており、だからこそ、リンカーンの胸の奥底にずっと抱いていたであろう純粋な正義感は極力排除されていたのでしょう。
つまり非常に感情移入しづらい作品です。法のもとの平等をあたりまえに享受している身としては、なぜ修正第13条にこだわるのか? なぜ選挙権を与えてはいけないのか? 南北戦争を終わらせないために犠牲を増やすことは許されるのか? さまざまな疑問が浮かんできます。
それは現代人に限ったことではないかもしれません。ひとつのことを成し遂げようとするには多くの障壁を乗り越えなければなりません。国を束ねる者としては、民の賛否の声も、そのひとつでしょう。
しかしリンカーンはもしかしたら、それらすべてを受け止める覚悟でこの大勝負に挑んでいたのかもしれません。戦地の惨状を前にした彼の横顔には、深い皺が刻まれていました。鎮魂と罪、悲哀と信念。戦場で散ったあまたの命のひとつひとつを、彼はその思いとともに皺に刻みつけたことでしょう。
時代は変わる。肌の色で差別する法律が闊歩する世ではなくなった。変わらないのは、求められるリーダーの資質。アメリカであろうと日本であろうと、いつの世も希求されるのはリンカーンのような男なのだと思います。
その瞳で、言葉で、背中でリンカーンを演じたダニエル・デイ=ルイス。3度目のオスカーを手にしましたが、見たこともないのにその立ち姿でなぜかリンカーンが甦ったと感じました。彼と対立するものの見事な立ち回りを演じたトミー・リー・ジョーンズ、ふたりの名優なくしては成り立たない作品です。とくにスティーブンスの最後に見せた愛のあり様は、アメリカの描くべき美しい未来でした。
根底に流れるのは、他者への平等な愛。
時代の流れを把握できなくても、配役のほとんどが白髪の老人でどっちが共和党でどっちが民主党かわからなくなっても、それはじゅうぶんに伝わりました。だからこそ、心にしみいる作品であったといえます。






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ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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